柄ゴテを作る

 われわれ、やきもん屋の使う作陶道具に「柄ゴテ」というものがあります。
徳利や、一輪挿しなどの袋物を作るとき、口をせばめると、内側に右手が入らなくなりますので、この柄ゴテを差し込んで形を整えます。

 作る物によって、形が違いますので自作しますが、ずっと使っていた筒花入など用の柄ゴテが磨り減って、使いづらくなりましたので、作り直しました。

 柄ゴテを作る事はめったにないので過程をアップします。

 ・ まず、柄ゴテの形を鉛筆で写します。材料は「ミズメザクラ」で、木工家に端材を貰ってストックしてあります。
柄ゴテを作る_c0081499_1585339.jpg


 ・ 次に、電動糸鋸盤で形を切り抜きます。手動でやっていたときは大変でしたが、楽ちんです。
柄ゴテを作る_c0081499_1513161.jpg


 ・ 木工バイスに挟んで、木工ヤスリなどで形を整えます。粘土が当たる部分は特に細かく仕上ます。
柄ゴテを作る_c0081499_15151897.jpg


 ・ 形が出来たら、サンドペーパー(240番ぐらい)で仕上です。
柄ゴテを作る_c0081499_1516387.jpg


 ・ 旧品との比較ですが、このくらい磨り減っていました。
柄ゴテを作る_c0081499_1519919.jpg


 ・ ついでに私が使っている、柄ゴテの写真もアップします。
柄ゴテを作る_c0081499_15194435.jpg


 これは私の習った柄ゴテの作り方です。
備前には窯焚の時、素性の良い小割割木を選び、切り出し一本で器用に柄ゴテを作っていた職人さんもいました。又、山のツツジの又枝を利用して作った柄ゴテを使っている方も見かけました。
by yamauchi-bizen | 2014-04-19 15:32 | 陶芸 | Comments(4)
Commented by 美濃の茶碗屋 at 2014-04-19 20:17 x
おお!グッドジョブ!柄ごては自分が作ったものがイイですね!ミズメザクラが水に強くて減りの少ないのですか?私は手に入りやすい桧を使っています。
Commented by yamauchi-bizen at 2014-04-19 21:31
茶碗屋さん、ミズメザクラをなぜ使うようになったのか記憶にありませんが、誰かに教えてもらったのだと思います。
他にカシ(樫)も使ったこともあります。これは水に強くて、なお強いです。羽子板(タタキ棒)などに使用しています。
Commented by 足柄山の天狗 at 2014-04-23 15:34 x
ずいぶんたくさんの種類の道具を、使われるんですね。感心いたします。
私の仕事では、手作りの道具は、何もありません。(笑)
Commented by yamauchi-bizen at 2014-04-23 15:53
足柄山さん、他に内ゴテ、竹ベラ、トンボ、剣先、カンナ、パス、などなどがあります。
現在は陶芸材料店に色々の既製品を売っていますが、私が陶芸を始めたころは陶芸材料店そのものが無かったので、全て手作りでした。
<< ノラクラミミズ ? 観椿会! >>