熱電対を直す

 窯焚中に、不注意で保護管を割ってしまった熱電対を修理しました。
焼成中に差し替えるとき、保護管が破損し易いので陶芸材料店には常備してあります。

 ・ 熱電対を抜くとき、こじて破損した熱電対です。長さは90㎝と普通品より長尺です。
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 ・ セラミック製保護管に、アルミナ+石膏に加水した物を浸した、耐熱ヤーンを巻き付けて、ソケットと接着します。
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 ・ 端子箱にねじ込んで、完成です。
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※ 熱電対(thermocouple)は、熱電能の異なる二種の金属を接合して、2つの接合点を異なる温度にすると、一定の方向に電流が流れ、熱起電力が生じる現象(ゼーベック効果)を利用した温度センサです。使用する金属線によって種類がありますが、焼物屋が使うのは、白金-白金・ロジュウム合金を使う、R型です。
詳しく知りたい方は をご覧下さい
http://www.motoyama.co.jp/enjineer/enji07.htm
by yamauchi-bizen | 2009-06-17 21:56 | 修理 | Comments(8)
Commented by ishidenen at 2009-06-18 07:04
90センチとはとてつもなく長いですねえ。
割れた途中をつなぐのではなくて新しい保護管をそっくり根本から取り替えるということですか?部品で売っているとは知りませんでした。
これって高いものですか?私の自作したものは短いので一式でも安かったように思いましたが・・・
Commented by okadasakura at 2009-06-18 08:01 x
当方、ニガテテの工作。それに、カタカナに弱くなりました。ヤーン。この単語、以前は覚えていたもの。今、英和辞典で確かめました。糸状のものが巻きつけてあるのを見て、安心。熱対電とは、燃えている熱の温度を測る器具と理解しました。
Commented by 足柄山の天狗 at 2009-06-18 08:17 x
窯の温度を測る道具ですか。初めて知りました。勉強になりますね。
ゴイサギのような身近な生き物が見たいですなあ。たとえば、池のカエル、ヘビ、カタツムリ、ナメクジなど。(笑)
Commented by yamauchi-bizen at 2009-06-18 10:36
Ishiden亭主殿、われた保護管はつなげません。伊部の陶芸材料店「S」で、4~5千円で売っています。

okadasakuraさん、熱電対の説明を追加しました。ヤーン(毛糸)は私もわかりませんでした。耐熱シリカファイバは形状によってクロス、テープ、ヤーン、ロープ、マットなどと呼ばれています。

足柄山さん、熱電対の説明を追加しました。 生き物は珍しい物を見つけたらアップします。ナメクジ、カタツムリ、セミなどでは意欲がわきません。
Commented by 美濃の茶碗屋 at 2009-06-18 13:16 x
何時もながらの、お見事な修理技ですネ。これまでの技の集大成を、備前雑記に保存版「やきもん屋の修理専科」として、付け加えたら如何でしょう?きっと世の為、他人の為になりますよ。レアメタルが高騰しています。プラチナ線の入っている熱電対も、盗られる時があります。ご注意を!
Commented by アーネスト at 2009-06-18 14:36 x
 小生は熱電対を脳血流測定に利用していました。 直径数ミリの針状にした熱電対を2本、犬の脳に刺入して種々の脳血流改善剤を投与してその効果を検討しました。 100匹以上の動物実験をしましたが、熱電対の反応は極めて敏感でした。 多分、電子体温計も熱電対法でしょうね。  
Commented by ceramistbamboo at 2009-06-18 20:10
僕は、一度も壊したことはありませんが、
自分で修理できるとは知りませんでした。
Commented by yamauchi-bizen at 2009-06-18 21:15 x
茶碗屋さん、 備前でも窯場で盗まれた人がいます。世知辛い世の中ですね。

アーネストさん、医学の場で生物に熱電対を使うとは思いませんでした。サイトで見ると、T型・シース熱電対と思われます。最小Ø、0.15㎜と言うのまでありました。

Bambooさん、登窯や穴窯では差し変えるために、時々破損します。1200℃越えから、常温に出しますので、保護管がもろくなっいて、こじると割れます。
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