備前歴史フォーラム「摺る~擂鉢から見える中世の社会~」

 数年前から、備前市教育委員会(生涯学習課文化係)が行っている「備前歴史フォーラム」の今年度の案内がありました。
この「備前歴史フォーラム」は、備前焼に特化した研究発表を全国規模の備前焼研究者を集めて毎年行っていますが、PR不足のためか、参加者は少なめです。

 備前市のHPにも関連のサイトは有りませんので、案内を全文掲載いたいます。興味のある方はご参加を!


 備前歴史フ ォ - ラ ム2010
「 “摺る(する)” ~擂鉢からみえる中世の社会~」【日 時】平成23年1月22日(土)10:00~17:00 基調講演・研究報告
【会 場】備前焼伝統産業会館3階総合研修室(岡山県備前市伊部1657-2)
     ※JR赤穂線伊部駅に隣接した会場です。
【主 催】備前歴史フォーラム実行委員会
【共 催】備前市教育委員会/備前市歴史民俗資料館/中近世備前焼研究会
【後 援】岡山県備前焼陶友会・岡山市デジタルミュージアム・山陽新聞社
【趣 旨】『備前焼の消費、特に擂鉢から見える中世の社会』
2004年から講座やフォーラムというかたちで多くの方々と対話を重ねてきたこの集まりは、今回で7回目を迎えます。その中で、備前焼の成立や製作技法、窯構造の変化と生産・流通の関係、さらに2009年には「中世備前焼の流通」にせまり、多くの方々から示唆に富むご意見や資料の提示、さらには研究の方向性をも暗示していただきました。この試みはこのフォーラムというかたちで現在も進行中ですが、その歩みの中で少しずつですが備前焼の歴史の謎が解け、逆に議論が深まるとともに、窯業地「備前」として歴史の側面から見た今日的課題も少しずつですが展望できるようになりました。
2010度の大きなテーマのひとつは「摺る(する)」です。「備前擂鉢投げても割れん」という俗謡がありますが、15世紀、西日本各地の遺跡では必ずといっていいほど備前焼の擂鉢を見ることができます。擂鉢はその名のごとく「食物を摺る」道具ですが、では室町時代の人々は何を摺ったのでしょうか。備前焼擂鉢も最初のうちは「摺り目」がなく、「捏鉢(こねばち)」でした。どうして捏鉢が擂鉢になっていくのでしょうか。
室町時代は異常気象などが誘引となり何度も大飢饉が起こりました。その中で人々は擂鉢をつかって何を摺って空腹を満たしたのでしょうか。また、擂鉢は食物だけ摺ったのでしょか。14世紀を境に、備前焼の擂鉢を模倣した瓦質の鉢が各地に出現することが近年わかってきています。瓦質ですから、備前焼より磨耗しやすく、耐用年数も短かったと思われますが、模倣品が出現する背景はどこにあるのでしょうか。
今回のフォーラムでは室町時代の大飢饉について清水克行先生にお話をいただくとともに、荻野繁春氏にはアジア的視点からの擂鉢研究の現状をお話しいただき、鈴木康之氏、續伸一郎氏には遺跡から出土する瓦質の模倣品について報告をいただきます。さらには瓦質擂鉢と備前焼擂鉢の使用方法、耐用年数、用途の違いなど、再現考古学の視点から岡嶋隆司氏からパネルや映像で実演を紹介します。
今回のフォーラムでは、文献史学者、料理研究家、考古学者、災害史研究者をはじめさまざまな分野の方々と連携して、備前焼の消費、特に擂鉢からみえる中世の社会に迫りたいと思います。


【日 程】
1月22日(土)基調講演・研究報告10:00~16:45(受付9:30~)
総合司会 伊藤晃 あいさつ

基調講演(10:05~11:10)
「室町時代の特質を考えるー応永・寛正の大飢饉の実態と原因」
 明治大学 准教授 清水克行
研究報告(11:10~12:30)
①「擂鉢文化論」荻野繁春(福井工業高等専門学校)
②「草戸千軒町遺跡の擂鉢さまざま」 鈴木康之(広島県立歴史博物館)

昼休憩(12:30~14:00)
遺物・パネル展示&映像レクチャー(12:45~14:00)
◎「備前擂鉢でなにを摺ったか(2)ー復元擂鉢による機能性の検証―」
岡嶋隆司(メルパルク岡山)
◎西大窯周辺窯跡群発掘資料速報展示  説明 備前市教育委員会
 ◎佐山新池窯跡群発掘調査資料速報展示 説明 岡山理科大学人類学教室

研究報告(14:00~14:40)
③「堺環濠都市遺跡から出土した“摺る”“卸す”焼き物」 續伸一郎(堺市博物館)

休憩(10分)
討論(14:50~16:40)
テーマ:「室町時代はどういった社会だったか」
コーディネイター 重根弘和(備前市教育委員会)
    パネリスト    清水克行(明治大学)
鈴木康之(広島県立歴史博物館)
荻野繁春(福井工業高等専門学校)
續伸一郎(堺市博物館)
乗岡 実(岡山市教育委員会)
             伊藤 晃(中近世備前焼研究会)
閉会(16:40~16:45)
 あいさつおよび「2011年テーマ提示」
        伊藤晃(中近世備前焼研究会会長)

【予告】2007年には「備前と茶陶―16・17世紀の変革―」と題して備前焼と茶陶の関係についてフォーラムをおこないましたが、2011年度にはさらなるテーマの深化をはかるべく、「茶陶リベンジ&バトル 茶道の視点 考古学の視点 水こぼし(建水)vs鉢 香合vs合子 茶碗vs鉢 水指vs蓋付鉢 皿vs盤(仮称)」を開催します。

【誌上報告】 伊藤 晃 「鞆・皿山焼窯発掘調査について」
       下村奈穂子「香合」
       吉崎 伸 「備前市久々井揚りの備前焼」
乗岡 実 「中国・四国の消費地遺跡出土の備前焼「茶陶」」 
中近世備前焼研究会「窖窯の復元と焼成実験」
 重根弘和 「細工物と道具」
 石井 啓 「桃山スタイルを考える」

懇親会 19:30~ 岡山駅周辺  懇親会参加費4,000円程度

※発表題目等は変更することがあります。
※資料持込を歓迎いたします。量的なものがありますので、事前に一報いただければ幸いです。

【参加費】
 資料代1,500円程度(備前歴史フォーラム資料集1冊を含みます)
 ◎参加者にはもれなく記念品(中世復元窯で焼成したグッズなど)を進呈

【参加申込】
 備前歴史フォーラム実行委員会事務局(備前市教育委員会生涯学習課内)まで下記項目を記入し、はがき、封書、電子メール、ファックスで23年1月20日(木)までにお申込下さい。当日も会場定員(100名)に達していなければ参加可能。


【事前申込の記入項目】
 お名前・所属・郵便番号・御住所・電話・メールアドレス・懇親会参加有無

【申込先】
 備前歴史フォーラム実行委員会事務局
(備前市教育委員会生涯学習課文化係内)
〒705-0021 岡山県備前市西片上7
℡(0869)64-1841・fax(0869)64-4285
E-mail /bzsyougai@city.bizen.lg.jp
by yamauchi-bizen | 2011-01-19 09:31 | 陶芸 | Comments(6)
Commented by okadasakura at 2011-01-19 10:49 x
大変な勉強会。当方、カスカニ心は動きましたが、出向く情熱はなくなりました。遥かに思いを馳せます。また、いろいろご教示ください。
Commented by yamauchi-bizen at 2011-01-20 20:56
okadasakuraさん、いつもコメントを有り難う御座います。
私はやきもん屋としては、やはり歴史的な事も知っておかなくては、と思って参加しますが、備前のやきもん屋さんの出席は少ないです。
Commented by 足柄山のいねむり at 2011-01-21 07:13 x
いかん、読んでいて眠くなりました。いかん、ぼけ防止に勉強しなくちゃあ。(笑)
Commented by 美濃の茶碗屋 at 2011-01-21 09:25 x
しっかり学術的なフォーラムですネ。やっぱり陶芸史的視点だけでなく、考古学的視点も大切ですネ。中世には大変興味があり、千円高速で其方に行って聴きたいのは山々ですが、残念ながら今夕から窯焚きです。有料で結構です、レジメ・紀要を御取り措き下さい。
Commented by yamauchi-bizen at 2011-01-21 09:46
足柄山さん、子供向けの文章ばかり考えたり、読んだりしているとそうなるのだろう、と推測いたします。

茶碗屋さん、熱心ですね! この様な方も居られるのかと驚きです。資料等は私がもらった分を送ります。
Commented by 美濃の茶碗屋 at 2011-01-21 19:32 x
お心ずかい、ありがとうございます。着払いで御送り下さい。還暦を過ぎていても、陶暦から言えば4半世紀のブランクがあり、恥ずかしながら未だ勉強中です。美濃は明日・明後日、処により雪との予想です。
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