粘土の石選り

 備前粘土(ヒヨセ)の伝統的な作り方に、原土を木槌で粉砕し、水に淅した(浸した)あと、ドベ鉢で脱水して、手で混入している石を取り除く方法があります。

 私はほとんどの粘土は、湿式篩通し方とも呼ぶべき方法でつくっていますが、茶碗や茶入などのお茶道具、古備前写しの品、手捻りの緋襷作品などはこの方法でつくった粘土を使っています。

 この方法の、石選りは大変な仕事なので、窯掃除に次いで弟子が嫌う仕事と言われています。
弟子はいませんので、自分で石選りをしています。動画をアップします。


by yamauchi-bizen | 2013-03-29 16:12 | 陶芸 | Comments(7)
Commented by アーネスト at 2013-03-30 13:30 x
 指先の感触で小石を探し出すという手業を拝見しました。 素材作りから焼き上げまで山内備前の流儀ですね。 下工程を丸投げする有名人、大作家の多い現代には稀有の存在です。
Commented by okadasakura at 2013-03-31 17:34 x
イシヨリと発音するのですか。粘土を薄くスライスするのも、技術が必要。手先の感覚で石の存在を発見。このようにして出来た粘土は本当に貴重。粗末には扱えません。お仕事の大変さ、が動画で理解できました。祈る、ご精進。
Commented by yamauchi-bizen at 2013-03-31 19:49
アーネストさん、記事にも書きましたが、全ての粘土をこの方法で作るのではありません。ほんの一分です。

okadasakuraさん、イシヨリです。 この作業は大変ですが、私の使う分は、1日半ほどで出来ました。

Commented by 足柄山の石頭じいさん at 2013-04-01 10:10 x
見ていて実に楽しい。山内さんの工房を見学している気分です。
逞しい手が、すごい。
私もこんな単純な作業が好きです。
Commented by yamauchi-bizen at 2013-04-02 10:06
足柄山さん、有難うございます。しかし、この作業は何日も続けると辛いです。
Commented by 美濃の茶碗屋 at 2013-04-02 22:30 x
叩いた(乾燥させて木槌等で粉砕)後、適当な目の篩しを通して、練る製土より、この方法の方が焼き上がりの石目の残り方が、より自然なのでしょうか?しかし手間の掛かる製土方法ですね!
Commented by yamauchi-bizen at 2013-04-03 17:41
茶碗屋さん、選り土は最も伝統的(古い)製土方で、古備前風な焼成りをめざす人はこの方法で土作りをしています。
しかし、原土が良くなければ効果はありませんし、焼成にしてもしかりです。
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