人気ブログランキング | 話題のタグを見る

シロヤマブキ(白山吹)

 室町時代の武将・太田道灌が鷹狩りに行き、にわか雨に降られて、みすぼらしい農家に駆け込み、出てきた少女に蓑を貸して貰えないか、と頼みました。
少女はしばらくして、一枝の山吹の花を差し出しました。道灌は、花が欲しいのではない、と怒り、雨の中を城に帰ったのでした。
  夜、道灌がこの話をすると、近従の一人が、後拾遺集に「七重 八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだになきぞ悲しき」という和歌がございます。この、実の(蓑)一つだになきぞ悲しき、は貸す蓑のない貧しさを山吹に例えたのではないでしょうか、と言いました。
 道灌は、己の素養の無さを恥じて、大いに歌道に励んだとのことです。

 このお話のように、ヤマブキには実が出来ませんが、シロヤマブキには黒い実が沢山出来ます。
調べてみると、シロヤマブキの花、はヤマブキに似ていますが、シロヤマブキはバラ科と別種でした。 又、シロヤマブキの花は四弁ですが、ヤマブキは五弁です。

       我家の裏庭に咲いている、シロヤマブキです。
シロヤマブキ(白山吹)_c0081499_18383015.jpg

by yamauchi-bizen | 2008-04-23 18:47 | | Comments(6)
Commented by okadasakura at 2008-04-23 21:39 x
貴方の博学、敬服。ネットの検索、便利です。漢詩、和歌等、その一部分で検索すると、全体が判明、出典もわかります。色々教えてください。
Commented by 足柄山のヤマブキ at 2008-04-24 09:10 x
これは珍しい!はじめて見ました。我家のやまんばが見ると、欲しがるでしょう!(笑)
Commented by アーネスト at 2008-04-24 12:17 x
  雨に打たれて緑葉に黄色が目に沁みる山吹です。緑に白色の花は梔子、「クチナシの花」は渡哲也の歌で一世を風靡しました。室町時代に貧しい農家の娘が差し出したという山吹の花は 何色だったのでしょう。歌に因んで ボート部の便所にあった落書きから一つ、「七屁八屁 音はすれども 空ふきの 実のひとつだに 出ぬぞ悲しき」 詠み人知らず
Commented by yamauchi-bizen at 2008-04-24 13:53
okadasakuraさん、博学ではありません。知ったかぶり、です。仰有る通り、ウェッブ検索は便利ですね。

足柄山さん、関東では珍しいのかもしれませんね。次回、おいでの時は持って帰ってください。

アーネストさん、この落書は私も知っていました。書こうかな、と思ったのですが下品になるので止めておきました。
Commented by 美濃の茶碗屋 at 2008-04-24 18:35 x
シロヤマブキ初見です。美濃にも一つだに見ません。画像からは、中々上品そうな感じがしますね。道灌も恥じて歌道に励むだけでなく、蓑も無い貧しい少女を助けてやらねばいけませんよね。窯焚き中で、ポピーの講は無断欠席でした。
Commented by yamauchi-bizen at 2008-04-25 21:47 x
茶碗屋さん、シロヤマブキ、こちらでは時々見かけます。道灌の話は出来すぎているので、後世の作り話だと思います。
<< 備前花器 七人展 ヒナゲシ >>