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ジルコニア式酸素濃度計(Oxygen Probes)

 2年ほど前に、オーストラリア製のジルコニア式酸素濃度計を購入し、主に、灯油窯での黒備前(冷却還元)や緋襷(酸化)を焼成時、窯中の酸素濃度を測るのに使っています。

 今回の窖窯焼成では登窯と違い、酸化気味の焼成ですので、この酸素濃度計で、時々測ってみました。
酸素濃度の変化は予測通りで、窯に松割木を6本投入した時が軽い還元状態(Light reduction)で、松割木が燃えると共に早い段階で酸化状態(Oxidation)となります。


・窖窯にセットした酸素濃度計
ジルコニア式酸素濃度計(Oxygen Probes)_c0081499_1085380.jpg

・ジルコンの電位差(電圧)を測ります。「0.06」と出ていますので、付属のチャートを
読むと、窯中の酸素濃度は約3%であることが判ります。
ジルコニア式酸素濃度計(Oxygen Probes)_c0081499_10112722.jpg


ジルコニア式酸素濃度計に興味のある方は、私のサイト「備前焼・山内厚可」の備前雑記のページにアップしておきましたので、ご覧下さい。
by yamauchi-bizen | 2008-05-27 10:24 | 陶芸 | Comments(9)
Commented by アーネスト at 2008-05-27 10:53 x
 伝統工芸に先端技術のジルコニア式酸素濃度測定とは、ちょっと違和感がありますが、経験と勘で焼くよりも正確な温度や酸素濃度など数値が分れば、作品に再現性があっていいでしょうね・・国宝の天目茶碗など再現できればスゴイでしょうね
Commented by okadasakura at 2008-05-27 16:47 x
新兵器、登場。当方、メカに弱いのでよく理解できませんが、酸化、還元の状態を見極める計測器ですか。灯油のみで、備前焼を、貴方,作られる時もあるのですか。今回の窯、ご成功、お祈りしています。
Commented by 美濃の茶碗屋 at 2008-05-27 18:02 x
不可知な焼成にプローブをご使用とは、流石エンジニアですね。「勘と経験」も必要ですが、物差しも大事です。美濃から見ると、備前は還元と思い込みがちですが、どちらといえば酸化側なのですね。フムフム、やっぱり酸化することに意義があるのか!~なんちゃって。
Commented by yamauchi-bizen at 2008-05-27 20:47 x
アーネストさん、耀変天目茶碗(国宝)の再現は無理ですが、酸化/還元雰囲気を数値で確かめられるのはとても良いです。

okadasakuraさん、青備前が出来る冷却還元の焼成法で黒い備前焼を灯油窯で焼いています。緋襷も出来ますが、これは窖窯の方がきれいです。

茶碗屋さん、例の Oxygen Probeです。備前の松割木で焼く窯は割木の投入時は還元、燃え尽きると酸化、を繰り返していますが、割木の量、排気ガスの引き具合で、酸化気味、還元気味に出来ます。一般的には登窯ー還元、穴窯-酸化です。
Commented by 美濃の茶碗屋 at 2008-05-27 21:42 x
穴窯-酸化、登窯-還元は興味深いご教示です。ところで、中国には一つも無く、日本にのみある4つの耀変天目。ここから秘密を解き、再現をした大平さんと言う美濃のエンジニアがいます。現在、究極の耀変天目をめざして奮闘中。詳しくは以下ブログでどうぞ。http://blog.livedoor.jp/ochan8/
Commented by 足柄山の風気味 at 2008-05-28 10:19 x
こういう機械の場合、コメントが難しいので、いつものように皆さんのコメントを見て楽しむ。(笑)
以前、うちの分譲地に、耀変天目茶碗を作ったという、あやしい人物がいました。すぐ引越ししていなくなりました。(笑)
Commented by yamauchi-bizen at 2008-05-28 22:43 x
茶碗屋さん、大平さんのブログを見せていただきました。彼のサイト(HP)はないのですか?なんだかブログではイマイチわかりにくいです。

足柄山さん、貴君も展示会を手伝ったと言っていた耀変天目を作る、迷人はいなくなったのですか!
Commented by ceramistbamboo at 2008-05-28 22:44
へー、そんな測定器があるんですね。便利そうです!
ウチは、冷却還元時に窯場の一酸化炭素警報機がなりますので
それで強還元が分かります。(笑)
もちろん窯場では頭を低くしています。
Commented by yamauchi-bizen at 2008-05-29 08:30 x
Bambooさん、このProbeは、米国ではよく使用されているそうです。日本にまで送らない、と言うのを無理に送って貰ったので高くつきましたが、オーストラリアで直接買えばもっと安いと、先日来日した豪州人は言っていました。 修理等の問題もありますし、日本で作れば良いのに、と思います。(チャートを読むのではなく、プログラミング化して、直接酸素濃度がわかるのが出来ると思います)
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